日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

萬歳塚(長野県松本市)

 

  【 萬歳塚 】

 

   所在地: 松本市今井字北耕地3589-3

 

 

 大正4年(1915)、在郷軍人会今井支部によって建立された。

 

 この地は当時今井村から松本に向かう道路の村はずれであり、戦中に入営・出征する

兵士は、必ず親族・婦人会・小学生ら村中の人々に送られ、「萬歳塚」の上に立ち、出

征の決意と別れの挨拶を述べ、一同で武運長久を願い、今井村村長の音頭で萬歳を唱え

たという。

 

 また、無事に戦地から帰還した兵士も奉公袋を片手に、出迎えた人々に挨拶をした

り・・・非業の死を遂げた戦死者の遺骨もこの地で出迎えられています。

 

 

 こうした「萬歳塚」は各地にあったと伝えられているものの、多くはその所在地すら

わからない状況になっており、今井北耕地に残る「萬歳塚」は戦争遺跡として非常に貴

重であると思います。

 

 こうした戦争の記憶を後世に残すことで、戦争の悲惨さなどを知り、平和を願い続け

なければならないのだと「萬歳塚」は伝えているのだと感じます。

 

 (参考資料)

   現地案内板