日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

日高遺跡(群馬県高崎市)

 

  【 日高遺跡 】

 

   所在地: 高崎市日高町・中尾町

 

f:id:nihonshiseki:20191105175018j:plain

 

 昭和52年(1977)、関越自動車道建設に先立ち発掘調査が実施され、3世紀後半(古墳時代)の浅間山の大噴火🌋によって降り積もった浅間C軽石(ASーC)に覆われた弥生時代後期(2~3世紀)の水田址・集落址・方形周溝墓が検出した。

 

 さらに溜池状遺構や湧水の存在も明らかとなったことで、弥生時代水田稲作の様子が明らかとなりました。

 

 居住域・生産域・墓域がまとまって検出した重要な遺跡であることから、国指定史跡となりました。

 

 平成5年度から平成20年度に行われた発掘調査(遺跡内容確認調査)では、水田址の広がりが把握されたとともに、環濠集落・円形周溝墓群も検出しています。

 

f:id:nihonshiseki:20191105180136j:plain

              ( 水田址と畔址 )

 

 弥生時代後期(2~3世紀)は『魏志東夷伝倭人条にみられる倭国大乱の時代である。

 

 日高遺跡の環濠集落址も倭国大乱をうけて築造されたのであるが、戦乱の影は全く見られない。

 西国・畿内・東海での戦乱の情報が越(現在の新潟県)あるいは信濃(現在の長野県)から土器とともにもたらされたと推定されている。

 

f:id:nihonshiseki:20191105180459j:plain

             ( 環濠集落址内部 )

 

f:id:nihonshiseki:20191121192652j:plain

                 ( 環濠 )

 

 日高遺跡公園として整備され、文化財の保存と活用が上手く行われている好例である。

 

 ( 参考資料 )

  高崎の文化財           高崎市教育委員会

  現地案内板