奈良大学通信教育部文学部文化財学科に入学すると、通常テキスト学習をコツコツと進めて考古学の知識を習得することとなる。
夏冬にはスクーリングで教授と対面授業となり、テキストでは学べないこと(例えば学友とのふれあいもその一環)も習得する。
この他、考古学関連の学術書や学術論文から学べることも多い。全国各地の神社仏閣や史跡等の現地踏査もテキストでは学ぶことの出来ないことを学ぶ手段であろう。
さて、今回本ブログでも「発掘」に関してテキスト学習だけでは学べないことを若干載せてみることにする。
① 考古学の年代特定の基本は形式と層位であるが、通信教育部で学んでいるだけでは
層位の概念は知ってはいても実際見たことがないという人が多い。
これは「上細井中西部遺跡群NO.3」で見られた層位である。
関東(群馬県)の層位であることは理解した上で見てもらいたい。当然ながら層位は各地域によって異なる。
群馬県内では浅間山の噴火による火山灰の体積によってねんだいが明らかとなる。まぁ、層位を接写してはいないのでテフラは見えないだろうが・・・それでも土の色の違いは多少わかるのではないだろうか。
テキストでは層位について記述されてはいるが、やはり多くの層位を見ることで学べることは多い。
私の場合、野帳に代表的なテフラ分類を書いておき、現地説明会などで説明された際に野帳を見直すことで知識の定着を図っている。
② つぎに発掘において遺構がある場所は土の色が異なっているということを見てもら
いたい。
写真は住居址であるが・・・、右上隅の土色の違いが分かると思う。
ここには何らかの遺構が残されている。この部分を少しづつ掘り進めて発掘調査は行われる。遺物の出土も考えられるので慎重な作業となる。
こうしたこともテキストの記述だけではなかなか理解しにくいだろう。
③ ではこの写真はどうだろうか。
写真に黒い筋のようなものが見受けられる。さてこれは何だろう?
②で触れたことを思い返せば、この筋は溝跡の遺構があるのでは・・・と想像しやすい。
がっ、この筋は後世の攪乱であるので用心が必要。なかなか分かり易い攪乱が見られることってないんです。
だって、現地説明会では綺麗にされた遺構を見せるのですからぁ💦
② ③に関しては普段の現地説明会では見せない(発掘中ですからね)場所。今回御案内頂いた前橋市教育委員会・埋蔵文化財課のMさんには感謝致します。
このようにテキストだけでは学べないこともあります!時には机の前から離れて学ぶことも通信教育部では必要な学びなんです(^^♪