【 道訓前遺跡 】
所在地: 渋川市北橘町上箱田字道訓前・道訓塚
赤城山麓の緩やかに南西に伸びる台地上に立地している縄文時代中期中葉から後葉に
かけての大規模環状集落遺跡が「道訓前遺跡」である。
旧北橘村教育委員会によって、県央第二水道関連に伴う発掘調査が平成8年から9年
(1996~1997)に実施され、縄文時代中期中葉から後葉にかけての竪穴住居跡
40軒、土坑264基を検出している。
また遺物として、使用感のある摩耗の目立つ打製石斧や磨石、石皿、石棒、欠状耳
環、砥石が出土したほか、地域文化の特色を示した土器群が出土している。
道訓前遺跡の特徴である地域文化の特色を示した土器群「道訓前遺跡出土品165
点」は国指定重要文化財であり、群馬県西部から長野県東部の比較的限定された地域か
ら出土する「焼町土器」は英国の大英博物館でも展示されたほどの逸品です。
さらに、赤城山麓を中心に分布する「三原田式土器」も出土しています。三原田式土
器は、南関東の土器型式である「加曾利E1式土器」へと変容、吸収され、「加曾利E
2式土器」へと変化している。
新潟、長野、南関東などと活発な交易があったことを示す遺跡であるとともに、土器編年、土器形式学的にも非常に重要な遺跡です。
現在では案内板が建つのみですが・・・、考古学を学ぶものとして訪れておきたい遺
跡の一つだと思います。
道訓前遺跡出土遺物は「渋川市北橘歴史資料館」で展示されておりますので、そちら
と併せて踏査されるのをおすすめします(^^♪
(参考資料)
現地案内板