【 東大寺念仏堂 】
一重寄棟造本瓦葺き(錣葺き)。桁行約6m、奥行約10m。
創建時期は定かではなく、東大寺創建当時から存在したのかは不明とされている。一
説には、摂津國で遊女屋を営む藤本権守という人物が創建したという。
念仏堂はかつて地蔵堂と呼ばれ、重源上人の発願による創建とされている。それを裏
付けたのは、昭和36年から38年(1961~1963)、念仏堂の解体修理が実施
された際のことである。
本尊・地蔵菩薩坐像は俊乗堂に一時遷座し、同時に像の修理が行われたのですが、胎
内から墨書が発見されました!!
墨書銘には、嘉禎3年(1237)大仏師康清が東大寺中興の祖である重源上人と当
時の仏師たちの冥福を祈願し地蔵菩薩像を造立したことが刻銘されていました。この発
見により念仏堂創建時期は嘉禎3年と推定されました。
元禄10年(1697)から宝永2年(1705)、公慶上人による大仏殿再建が行
われた際に念仏堂・地蔵菩薩坐像も併せて修理されたことが、前述の昭和の解体修理の
際に明らかになっています。
念仏堂の特徴としては、
➀ 入母屋造りの原型ともされる錣屋根
写真でも堂の屋根が二重になっているのが確認出来るかと思います
② 堂正面の開閉式の桟唐戸(のちの禅宗様)
が挙げられます。
広大な寺域の東大寺ですが・・・、大仏殿や二月堂などだけではなく、一つひとつの
堂宇をじっくり参拝するのもおすすめです(^^♪
(参考資料)
日本仏像史 水野敬三郎 監修 美術出版社
現地案内板