日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

大阪市立愛珠幼稚園(大阪府大阪市中央区)

 

  【 大阪市立愛珠幼稚園 】

 

           所在地: 大阪市中央区今橋3-1-11

 

 

 明治12年(1879)、大阪東区道修小学校連合町会が、当時日本国内ではほとん

ど設置されていなかった幼稚園を設立して、幼児保育の効果を広く社会に周知しようと

建議し、準備期間を経て明治13年(1880)、東区今橋五丁目(現在の中央区北浜

四丁目)に開園した。

 

 草創期の同園では、幼児教育の祖であるフレーゲルの理論を取り入れた幼児教育が行

われている。また読み書きなどの教育も行われていたが、幼児教育実践の中で幼児の発

達段階にはそぐわないことがわかり、短期間で中止されている。

 

 明治16年(1883)、園舎が手狭になったことから、今橋三丁目(現在の中央区

今橋二丁目)の鴻池善右衛門持家に移転。また明治22年(1889)、大阪市制施行

によって、連合町会から大阪市に移管している。

 

 明治34年(1901)、現在地に移転し、現存する幼稚園園舎としては日本最古の

木造平屋建園舎が竣工されている。園舎は当時の主任保母らの意見を参考にしながら、

文部省の技師の指導下で大阪府の技師が設計。御殿風の和風建築で、周囲に高塀を巡ら

せ、天井を高く取り、園庭と遊戯室との間に段差を設けていないなどの工夫が見受けら

れる。

 

 第二次世界大戦激化の中、大坂も空襲が相次ぎ、昭和20年(1945)3月末には

近隣の軍需物資製作・納入会社から園の撤去願が大阪市に提出される。

 

 園舎は当時から重要な教育建築物と認識されており、解体時期を可能な限り延期し

てもらえるよう園関係者が折衝を重ねるも、6月には建物疎開の対象と決定した(この

建物疎開という点は非常に重要であり、戦時下でも文化財保護に尽力していた人々がい

たことを見て取れる)。

 

 8月4日に取り壊しが計画されていたのだが、空襲のため作業が遅延。そのまま15

日の終戦を迎えたことで取り壊しも中止となった。

 

 平成11年(1999)、大阪市有形文化財指定制度が開始され、「大阪市立愛珠幼

稚園」は指定第1号となり、平成19年(2007)には幼稚園園舎として初の国指定

重要文化財となっている。

 

 指定された現在も大阪市立開平小学校との交流、専門家を招き芸術文化体験、動植物

の飼育など心豊かな子どもの育成を目標とした幼稚園教育が行われているほか、未就園

児向け保育や預かり保育が行われている。

 

 

 園の敷地は江戸時代の大坂銅座跡地であったことから訪れたのだが・・・、重厚な造

りとは思ったが、重要文化財とは知らなかった💦💦

 

 適塾も隣接しており、適塾の建物かと思ったくらい見事な幼稚園(+_+)内部見学は出

来ないけれども(お子様を通園させれば見られるかと思いますが💦)外見だけでも満足

しますよ(^^♪