日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

一の沢西遺跡 移築 敷石住居址(山梨県甲府市)

 

  【 一の沢西遺跡 移築 敷石住居址 】

 

             所在地: 甲府市下曽根町923 山梨県立考古博物館内

 

 

 「一の沢西遺跡」は笛吹市境川町に所在する遺跡である。

 

 昭和58年(1983)、農業水利事業工事に伴う山梨県教育委員会による発掘調査

が実施され、縄文時代中期の竪穴住居址に混じって1軒の敷石住居址が検出しました。

 

 敷石住居は一辺約1.8mの六角形をした居住部から、北西側に幅1.8m、長さ1.4

mの入口部の付いた柄鏡形でした。

 

 敷石用材は石英閃緑岩の板石で、大きいものでは90✕50㎝ほどもありました。居

住部のほぼ中央には4枚の平石で組んだ炉も確認され、炉内部には土器片が敷かれてい

ました。

 

 敷石住居址が検出するのは、東京・神奈川を中心に東北南部から中部地方の地域であ

り、縄文時代中期末から後期初頭の遺跡にみられます。

 

 山梨県内でも多くの遺跡から出土した例がありますが、状態の良いものであったこと

から山梨県立考古博物館内に移築保存されました。

 

 

 多くの遺構が破壊される運命にある中、「一の沢西遺跡」検出の敷石住居址は移築保

存されました。現状では写真でお判り頂けるかと思いますが・・・あまり手入れが行き

届いていない様子💦

 

 「保存されなければ活用もない」のですから、今後どのように移築された遺構を活用

すべきかを考えていく必要に迫られています。

 

 (参考資料)

   現地案内板