日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

万葉遺跡 防人藤原部等母麿遺跡(埼玉県行田市)

 

  【 万葉遺跡 防人藤原部等母麿遺跡 】

 

   所在地: 行田市藤原町1-27-2  八幡山公園内

 

 

 天平勝宝7年(755)2月、武蔵國防人部領使に任じられた安曇宿禰三国が進献し

た防人の人々並びにその家族によって詠まれた歌の一首が『万葉集』巻20に記載され

ている。

 

   足柄の 御坂に立して 袖振らば 家なる妹は さやに見もかも

                         埼玉郡上丁藤原部等母麿

 

   色深く せなが衣は 染めましを 御坂たばらば まさやかに見む

                             妻物部刀自売

 

 (要約)

   足柄山の坂の上に立って袖を振ったら、家にいる妻にはそれがはっきりと見える

   だろうか

   夫の袖をもっと色濃く染めればよかった。そうすれば、足柄の坂を越える時には

   っきり見えるだろうに

 

 防人として赴任する夫とそれを見送る妻が、別れの悲しさを取り交わした歌として知

られています。

 

 藤原部等母麿夫妻が、実際埼玉郡のどこに居住していたのかは明らかではない。しか

しながら、地名等からこの附近に居住していたと推測する説があることから、昭和18

年(1943)、部等母麿夫妻の歌の関連史跡として指定されています。

 

 昭和36年(1961)、歌碑が建立され、埼玉県指定旧跡となり、平成8年(19

96)、万葉遺跡として現在の名称に変更されました。

 

 

 史跡指定された背景には、何かありそうな気がする遺跡である。

 

 八幡山公園の「八幡山古墳」を見学するために訪れたのであるが・・・、「万葉遺跡

防人藤原部等母麿遺跡」もありラッキー(^^♪

 

 見落としやすい石碑であるが、案内版もあるのでしっかり確認して下さいねm(__)m

 

 (参考資料)

   現地案内板