日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

真言律宗 総本山 西大寺 本堂(奈良県奈良市)

 

  【 真言律宗 総本山 西大寺 本堂 】

 

   所在地:     奈良市西大寺芝町1-1-5

   拝観料: 一般 ¥800 中・高生 ¥600 小学生 ¥400

        ※ 本堂・四天堂・愛染堂三堂共通拝観券

 

 

 木造本瓦葺、一重の寄棟造で前後面に向拝を付す。桁行七間、梁間五間。

 

 堂内は東西南の三方の外陣と内陣を仕切り、内陣北の中央に須弥壇、東西に脇檀を設

ける造りである。

 

 もともとは鎌倉時代興正菩薩叡尊による復興の際、東塔の北方に建立された光明真

言堂であった。明応8年(1499)、細川政元家臣・赤沢朝経が大和国に侵入した際

に焼き討ちにあい焼失。その後再建されたようであるが、江戸時代には堂宇は痛み、修

理ではなく再建されることとなった。

 

 かつて宝暦2年(1752)建立とされていたが、近年の研究で寛政10年(179

8)頃に再建に着手され、文化5年(1808)頃に完成したとされる。土壁を施さな

い総板壁で建築されており、装飾性の少ない伝統的な様式である。

 

 

 本尊は建長元年(1249)、興正菩薩叡尊の発願によって、京都嵯峨・清涼寺にあ

る釈迦如来像を善派仏師・善慶ら11名が摸刻したものである。

 

 また正安4年(1302)、興正菩薩十三回忌に遺弟らによって造像された文殊菩薩

騎獅像及び四脇侍像が安置されている。

 

 

 先に更新している「愛染堂」についてはこちらをご覧ください。

 

nihonshiseki.hatenablog.com

 

 近鉄大和西大寺駅からほど近いにもかかわらず、なかなか「西大寺」参詣される方は

少ないように思われる。

 

 叡尊ゆかりの古刹であり、堂宇・寺宝も見どころ多い寺院であるので、是非足を運ん

でいただきたいものである。

 

 (参考資料)

   現地配付パンフレット