【 東大寺東塔院跡 】
所在地: 奈良市雑司町406-1
天平宝字8年(764)頃、創建されたと伝わる。巨大な七重塔であったという。
東大寺東塔は「東塔院」と呼ばれ、東西南北四ヶ所の門を有した重厚な回廊が塔を囲
んでおり、高さ70~100mの高さであったという。
創建時の回廊は梁行約5.9mの複廊であったことが、発掘調査によって明らかとなっ
ています。
治承4年(1180)、平重衡の南都焼き討ちによって灰燼に帰したが、嘉禄3年
(1227)頃、復興された。
復興された回廊は、発掘調査の結果、北面・東面・西面回廊は梁行4.7m、桁行約
3.1mの単廊になったことが明らかとなっています。また再建に際して、創建時の東面
回廊と北面回廊は内庭側が削られ、西面回廊は内外両側を削って基壇側が狭められてい
たことが明らかとなっています。
しかしながら、康安2年(1362)、落雷による火災によって再度焼失し、その
後再建されることはなかった。
近年、復原整備を模索した発掘調査が実施され、調査の結果、奈良時代の塔の基壇上
に鎌倉時代再建された塔の基壇が築かれていたことが明らかとなっています。
令和7年度(2025)完成を目指し、奈良時代の建物基壇復元事業が進められてい
ます。
なお、発掘調査の成果についてHP上で現地説明会資料等がダウンロード可能ですの
で、興味がある方は是非どうぞ。
(参考資料)
平成30年度 発掘調査現地説明会資料
令和元年度 発掘調査現地説明会資料